労働者性まとめ
2026/09/24今般、西村あさひ法律事務所に所属する弁護士が、同事務所に対し、無期雇用転換を求めた訴訟が話題となりました。同訴訟では、同弁護士の労働者性が問題となり、結果として、同弁護士の労働者性が否定されました。
そこで、労働者性に関し、見直しを行うべく、以下のとおり、まとめました。
1 労災保険法上の労働者は、労基法上の労働者と同一(最判平成8年11月28日)。
労災保険法以外の労基法の附属法及び関連法上の労働者は、労基法上の労働者と同一とされます。
労働契約法上の労働者は、労基法上の労働者と基本的に同一。
2 個別的労働関係における労働者性
労基法上の労働者(労基法9条)とは、①労務提供の形態が指揮監督下の労働であり、②労務の対価としての報酬の受領
があると評価できるか否か、により判断されます。
判断要素としては、
ⅰ)仕事の依頼、業務従事の指示等の諾否の自由
ⅱ)業務遂行上の指揮監督
ⅲ)勤務場所及び勤務時間に関する拘束性
ⅳ)労務提供の代替性
ⅴ)報酬の算定及び支払方法、があります。
限界事例における判断を補強する要素として、
ⅵ)事業者性
ⅶ)専属性
ⅷ)当事者の認識を推認させる事情
があります。
最判平成8年11月28日は、労働者性を否定しました。
(同判例の事実関係)
・継続的運送契約は、書面ではなく、口頭。
・使用者の担当者から、同使用者の従業員ではないこと、運送途中での交通事故については、同使用者は、責任を負わない
ので、任意保険に加入すること。
・運送品を破損させた場合、弁償させること。
・始業時間及び終業時間の定めなし。
・報酬は出来高制。
・トラックの購入代金、ガソリン代、修理費、高速代等は自己負担。
・源泉徴収、社会保険及び雇用保険の保険料の控除なし。
3 集団的労働関係における労働者性
労働組合法上の労働者概念は、労基法上の労働者概念より広いです。
判断要素としては、
①対象者の組織への組入れの有無
②使用者による契約内容の一方的決定
③報酬の労務対価性
④対象者が基本的に使用者からの個々の仕事の依頼に応ずべき関係にあったこと
⑤使用者の指揮命令下での労務提供、一定の時間的場所的拘束の存在
⑥独自に事業者としての活動を行うことの困難性
があります。




